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リサと仔猫チャン
2006 / 12 / 04 ( Mon )
リサの仔猫ちゃん Le petit chat de Lisa

 というわけで、朝情報を得るや、鉄砲玉のように飛び出して行って来たよ。内容に触れるので例によって核心は隠しておくね。

 表紙、(珍しく(ぷっ))天真爛漫にブランコなんかしちゃっていかにも楽しそうなリサたん。ガスパールの犬(とマロンちゃん)に対して、リサは猫なんだね。ゲオルク/アンヌ夫妻は猫を飼っているそうだから、まあ自然な流れではある。
 今朝まで収集した情報の段階ではヴァカンスで猫をみつけて飼いたくて仕方ない、でもパパとママは絶対許してくれない、そこへ上手い具合に猫が一匹やって来た・・・・・・楽しいっ ! でも秘密、というところまで。

 作家志望の人は物語の発端を与えられて、その続きを書くという修行のエクリチュールをするんだけど。わたくし的予想では・・・・・・
 ばれちゃって捨てに行かされる。日本ではよくあるパターン。悲しみのリサ。ガスパールがそこへ来て慰める。いいよ、じゃあ僕がおばあちゃんのところでブクルドールたちと一緒に飼ってもらうから、とかなんとか。めでたしめでたし・・・・・・

 ぢゃー済まないでしょなんつったってあーたリサガスだもん !!
 はい。その通りでした。予想を大幅に上回り。

P.1-2
 田舎の景色。素敵なピンクの帽子とお揃いのワンピース着たヴィクトリアおすまし。リサは道端のブルーベリーかなんか摘んでる。ちょっとつまみ食いしながらなのか、口の周りが紫だよ。思えば、都会的文化国家と思いがちなフランスも、ちょっとパリから出るだけで農業国の色合いが濃く出ているのだ。フランスの田舎っていいよねーなどと思い出に耽る・・・・・・

p.3-4
 噴水だけ見るといつものヴォージュ広場かと思うけど、背景がローマ帝国遺跡風。そうか、ヴァカンスなんだっけ。パパにだっこされているリラもちょっと大きくなったみたい。

p.5-6
 広場屋台のお店。チョコレートやら飴やら売っている風船屋のおじさん、大きな苺の風船を膨らましてヴィクトリアに見せている。一方、オリーブの酢漬けの壷の脇で猫の鳴き声が !

p.7-8
 可愛いっ ! でもパパは「問題外だよ」と即答だ。一所懸命、猫がいたらどんなに満足か説明するけど、駄目駄目だー。ちゃんと世話するし、ヴィクトリアと喧嘩だってもうしないのに。箱の中に猫は四匹。猫らしく瞳が細い。比較対照からするとリサは円らだったんだねえ。

p.9-10
 今度はママに力説。犬みたいに外に連れて行かなくていいし、子兎みたいに大きくなって小屋に入らなくなったりしないし・・・・・・でも駄目駄目だー。

p.11
 酷いよ。もうヴァカンス終わるまで口きかないもんね。田舎道を帰るリサ家のヒトビト。四人と少し離れてとぼとぼついて来るリサ。
 赤いベビーカーに乗ったリラ、自分で起きてる。首がすわったようで。お買い物袋をそれにぶら下げてるところがリアル。

p.12
 つまんないなー、という声の聞こえてきそうな絵 !! リサの目が、本当に表情豊か。線の引き具合一つでこんなに表情が変わるなんて。今回一番感心したページだ。
 市場から帰ったら、リサは別荘 ? の自分の部屋に一人で籠り、熊のぬいぐるみといじいじ遊んでいる。別荘の部屋は板張りで、ベッドカバーがステキなのだ。明るい青地に苺かさくらんぼかの柄。

p.13-14
 何と、部屋の窓から隣の家に猫のいるのが見えた !! でも、ポラロイドの予告絵と違って木に登ってはいないんだけど。むしろリサがすっ飛んでいったからびっくりして登っちゃったんじゃないの。おまけに、リサはヒトんちの椅子を勝手に動かして猫を木から降ろすし。いつものリサ全開。

p.15-16
 リサたんの幸せが始まるー。ベッドカバーに乗せて仔猫とじゃれるリサ。ええ飼い猫ですよ。赤い首輪にはちゃんと電話番号と、おまけに「タンペット(嵐)」と名前が書いてある。でも勝手に「ミョゾティス(勿忘草)」にするんだもんね。

p.17
 リサもベッドにお座りして、たんと遊ぶ。猫は後ろ足で立ってるよ。そういや、興奮するとこんなになるよね猫って。

p.18
 こっそり台所に降りて来て猫のご飯を物色する。「あら、お腹空いたのリサ ?」などとママに声かけられるけど、もうお話ししないって決めたんだから黙ってるさ。でもパパもママも疑ってさえみない。
 ここの別荘の台所がまたステキ。緑の壁、緑の椅子。日本的色彩感覚では思いつかないような配色なのだ。

p.19-20
 今度は撮影会ですよ。パパから借りて来たカメラで、何とか仔猫を撮ろうとする。ベッドの上で一緒にポーズしたり、机の上に座らせて構図を取ったり。なんたって、ヴァカンスが終わったらガスパールに見せるんだからね。わりと旧式のコンパクトカメラみたい。
 p.20のこの絵は、至近でだっこしてるところを撮ろうとしてるんだろうか。

p.21-22
 デジャヴュ。これ、『リサの妹』でもあった構図だ。できあがった写真を無造作にばらまいた絵。でも、今回のは写真プリントのサイズがちょっと横長だ。
 今回のカタストロフはここであった。お休み明けに出来上がった写真を取りに行くのはパパだった。ソーセージ食べたのが誰だかばれちった(ってそういう問題じゃないだろう)。「リサーっ・・・」

p.23
 でも、パパはリサを叱らなかった。更に悪いことに (?)その猫写真をみんな冷蔵庫に貼り付けちゃった ! ママと笑ってる。

p.24
 ヴィクトリアはその様子を見て、不公平だっ ! と思って腕組み。ここのモードは初登場柄なしのピンクのワンピース袖なし。リサ家パリの家のキッチンは結構広そうだ。チューブの家ということを忘れそうな階段までついてる。

p.25
 お馴染みの食堂。多分別の日だと思うけど、晩御飯の時パパとママは、何と子供たちに驚きの贈り物surpriseがあることを告げる。仔猫は悪戯するから駄目だけど、大人の猫ならいいよ、と。
 リサは赤いえり掛け(涎掛け !)、ヴィクトリアは半袖ピンクのワンピース(ピンク好きだね)。食卓のお料理は何やら赤いから野菜かな ? 籠に丸パン。

p.26
 こうしてマティルド=サラがうちへ来ることになった。猫は縞虎でリサくらい大きい。田舎によくある荷車に乗ってる。

p.27-28
 二ヵ月後、マティルド=サラは仔猫を6匹産んじゃった ! それで、リサとヴィクトリアは市場で売り子状態。猫はいらんかねー。そしたら、全部売れた ! ・・・・・・四匹除いては(ぷぷぷっ !!)
 売れ残った仔猫の名前はパクレット(雛菊)、テュリプ(チューリップ)、ローズ(薔薇)、トュルヌソル(向日葵)、つまりみんな花の名前だ。リサが例の飼い猫を勿忘草と名づけたのは、やはり花の名を最初から考えていたからだろう。それと、猫の鳴き声がミャオミャオいうから、音声的類似性。
 結局、残った四匹の仔猫も飼うことになっちゃった。パパとママのあーっというカタストロフな詠嘆が聞こえてきそうな結末だよ。

p.29-30
 ガスパールをうちに招んで猫三昧。親猫仔猫、しめて5匹。机の下で四つん這いになって遊ぶ。
 青いカーペットが眩しい。よかったねリサ !


 今回も一筋縄では行かない展開であったな。大抵は親に即刻却下されて諦め、はい終わり、が道徳的な本のあり様なのだが、リサに都合よく猫が飼って貰えてお咎めなしというのがもう、笑える。流石アンヌさん ! それでこそリサガス界 ! いいなー。やっぱり小さい子には読ませられませんなー。サブカルだよ。

 テーマカラーはテラコッタに近いオレンジ色、背表紙は薄い緑で草の色かな。表紙側の背表紙支えの部分だけに赤。

 各駅停車でてれてれ帰って来つつ読みながら、もう笑みが止まらなかった。わたくしの感性が「美味しい美味しい」と語っていた。わたくしにとっても、これは大きなスュルプリーズsurpriseとなってくれたよ。思いがけなく今朝新刊の出ていることを知って、居ても立ってもいられず。幸せな日になった。まことに有難いことである。一足先にお祝い、ヴァン・ムスー開けたよ。

(2006/12/04/lundi)
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